“まだ、出会っていないあなた”へ


ある日、夢を見ました。

それは深い深い闇の中。

周りはただ真っ暗で、自分の姿も見えないくらいでした。

そこへ、一つの小さな光が見えてきました。

私はそれに向かって走るのですが、その光は全く近づく気配がありません。

段々、走っているのさえ分からなくなってきます。

それでもその闇の中で見えるのはその光だけだったので、少しづつでも距離が縮むように私は進みました。

そこで、夢は覚めました。

次の日。

その日の夢にも、また深い闇はありました。

また次の日も同じ夢を見ました。

しかしその日の闇は先日とは違いました。

歩くたびに足に何かあたるのです。

でも、これで夢の中の私には足があることが分かりました。

闇の中で障害物を避けながら歩くのはとても難しいですが、初めて足があり、地面をしっかり踏みしめることのできる喜びを知りました。

その次の日。

それでも深い闇はありました。

障害物を避け切れなかった私は、とうとう転んでしまいました。

咄嗟に出てきたもの、それは手でした。

これで、障害物を触りながら確認して進むことができます。

光との距離は変わりませんが、着々と光は近づいている気がします。



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